洗浄手順をご確認ください!
一般的なライドライムによる洗浄は、洗浄する機器内を、水で50%に希釈したライドライム溶液で満たし、一定時間循環させる方法で行います。そのため、機器を洗浄するにあたって、まず、使用するライドライムの量を算出する必要があります。機器の冷却水保有容量を確認し、例えば熱交換器の場合は、下記に記載している使用量と循環時間の表を参考に必要なライドライムの量を算出してください。
なお、表中のライドライムの量は50%濃度ライドライム溶液を前提としているため、器内を溶液で満たし、循環させるためには、同量の水が必要になります。また、システム全体がライドライムで満たされるよう、循環用ホース等の容量分も液量を確保してください。
ライドライム洗浄循環参考図
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熱交換器の、洗浄する水循環を排水します。
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ライドライム熱交換器下部から上部へ循環するよう、循環用ポンプとホースを設置します。
ホースは、液の循環を視認できる透明なものが便利です。 -
適量のライドライム溶液を器内に送り込み、循環するように適宜水を足して下さい。
※作業開始直後は、器内に付着しているスケールの容積分、ライムライトと同量の水全てが入りきらない場合があります。 -
表に記載されている時間を目安に循環させます。
反応が進むにつれ、スケールが剥離していくため、器内容量が増します。
その分、適宜、水を継ぎ足し循環を継続させます。 -
循環させているあいだ、定期的に溶液の効果をpH・メーターにより確認するのもいいでしょう。
所定循環時間より早く、pH値がpH5.5~pH7.0(中性域)となった場合は、適宜ライドライム溶液を追加し、循環時間も延長します。
(ライドライム原液は約pH3.0以下です) -
所定の時間を経過したら、ライドライム溶液を排出し、水を洗浄します。この作業は、排出口(ドレン)にホースを放置し(任意の排出場所へ誘導し)排水が終わるまですすぎ洗いをしてください。なお廃液は、産業廃棄物として処理するか、可能であれば、工場内等の水処理施設にて処理して下さい。
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以上でライドライムによる熱交換器の洗浄工程は終了です。
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熱交換器を元通り各配管につなぎ、作業は完了となります。
使用時間・使用量
シェル・アンド・チューブ式熱交換器水循環洗浄時に必要なライドライム溶液量循環時間参考表
循環容量と参考循環容量時間
システム容量(原液+水) | 循環時間 |
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約1~40リットル | 1~2時間 |
約40~200リットル | 2時間 |
約200~400リットル | 3時間 |
約400~1,200リットル | 4~5時間 |
約1,200~2,400リットル | 6~7時間 |
約2,400~4,000リットル | 7~8時間 |
約4,000リットル~ | 8~10時間 |
ライドライム洗浄と他の比較表
ライドライム | 高圧洗浄法 | 塩酸洗浄法 | 取替工事 | |
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工事費用 | 低 | 低 | 低 | 高 |
工事期間 | 短期 | 長期 | 中期 | 長期 |
スケール除去効果 | 大 | 小 | 大 | – |
材質に対する影響 | ほとんどなし | 多少あり | 大いにあり | – |
稼働に対する影響 | 小さい | ある程度影響あり | 比較的小さい | 稼働停止 |
作業安全性 | 高い | 中程度 | 極めて危険 | 中程度 |
施行後の状況 | 優良 | 可 | 可 | 良 |
液の安全性 | 素手で触れても安全 | – | 劇薬であるため取扱注意 | – |
環境への影響 | 無害 | – | 有害 | – |
ライドライム使用時補足注意事項
※薬剤を廃棄する場合は、法令に従い産業廃棄物処理認定業者に委託して処理もしくは、工場内等の水処理施設にて処理してください。
- 本品は、酸性の水処理洗浄剤ですが、比較的手や皮膚への刺激が少なく取り扱いが容易です。しかし、傷や皮膚の敏感な箇所では刺激を受ける場合がありますので、取り扱い時には保護手袋・保護メガネ・保護マスクを着用し、直接手等に触れないようにしてください。
- 誤って傷や皮膚の敏感な箇所に触れた場合、目や口に入った場合は清水で十分に洗い流してください。
水洗後なお痛みがある場合は、医師の診断を受けてください。 - 作業服やウエス等に本品が付着した場合は、流水でよく洗い落としてください。
- 空容器は飲料用等に使用しないでください。
- 使用時以外は密封保管してください。
- 洗浄後の廃液には、錆や不凍液・防錆剤等、機器、配管運用上の理由に由来する物質が混入することとなります。適宜排水処理設備または産業廃棄物処理認定業者にて処理していただくようお願いいたします。
- ライドライム原液は、黄銅・アルミ合金(5000系・6000系・7000系)・マグネシウム・亜鉛・洋銀等の合金材質に対し影響を及ぼす場合があります。しかし、通常は原液を水と1:1の50%に希釈して洗浄を行い、洗浄時間も短いため、ほとんど影響はございません。
しかし、機器・配管等の素材によって影響の度合いに個別差が想定されます。機器・配管の図面、素材規格(JIS規格)等をご開示いただければ、個別に最適な使用方法を検討・ご提案させていただきますので、お気軽に当社までご相談ください。 - ご使用の前には必ず「商品安全データーシート」(MSDS)をお読みください。